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取材日記

番組の裏側や独り言などストファイスタッフが綴る取材日記。

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「桜」の巻

命さえ失うかもしれないのに、
大好きな人のために、応援してくれる人のために
全力を尽くす、無茶をする人がいる。


心の中は、どうにもならないことに対する悔しさや悲しさ、
そんな気持ちでいっぱいなんだと思う。


いや、彼はこんな状況になっても
まわりの人間に迷惑をかけたとか、申し訳ない、とか
そんな気持ちでいるのかもしれない…。


これは僕がストファイスタッフになってから知り合った
一番信頼できて、一番心が許せる、とあるアーティストさんの話。


先日、ライブ後に発作を起こして倒れてしまった。
しばらくはライブ活動も、練習すらも参加できないという。
そんな電話をバンドメンバーから貰ったとき、思わず泣いてしまった。
そこまで真剣、本気だったんだ…と思って。


彼の持病を、もし僕が持っていたら
怖くてステージになんか上がれないと思う。
部屋のすみっこで暗く塞ぎ込んでいると思う。


でも彼は違う。
常に周りに気を遣う、いつも周りを笑顔に変えてくれる。
そして何より彼は音楽のことを本当に愛している。


初めて彼の持病を知ったのは、1年以上も前のこと。
彼は笑いながら自分の病気のことを僕に話してくれた。
どう反応していいかわからなくて、戸惑っている僕に彼は笑いながらこう言った。


「しょうがないっす。」


命を奪うかも知れない病を抱えて彼は笑ってステージに立ち続けていた。
あっけらかんとした彼の姿に、病気のことなど僕も忘れていた。
2008年はバンドとしての夢も叶いそうな予感がしていた…。


そんな矢先の出来事…。


他人に言わなくても、もしかしたらいつもギリギリのところで
彼は戦っていたのかもしれない。
事実、倒れてしまったライブ前も発作の前兆があったという。
それでも彼はステージに、立った。


取材相手としてじゃなく友人として、
なんで自分は身体のことを気遣ってやれなかったんだろう、
どうして自分は「頑張れ」としか言えない馬鹿な人間なんだろう…


本当に残念、そして僕自身、無念。


でも人間、生きていてこそだと思う。
だからしっかり静養して元気な姿がまた見たい。
彼が作る究極にストレートな歌がまた聴きたい。


桜の季節に、また会えるといいな。
快復を心から願っています。


個人的な話でスミマセン。でも音楽って本当にすごい。
そして素晴らしい。

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